家づくり講座

全館空調とは?メリット・デメリットや採用する際に確認すべき4つのポイントを解説

全館空調とは?メリット・デメリットや採用する際に確認すべき4つのポイントを解説

日中は春らしく暖かい気候になってきたものの、寒暖差でまだまだ肌寒い夜が続いていますね。夜は家の廊下が冷えて寒く、息子がトイレに行くのを嫌がり困っています、という編集部員の声も・・・家全体の室温が均一に保たれ、快適な住空間を実現できる「全館空調」ならこの悩みを解決できそうです!

今回は全館空調の意味や、メリット・デメリット、採用する場合に確認すべき4つのポイントをお話しします。注文住宅で全館空調の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

全館空調とは?

全館空調とは、冷暖房により家中の室温を均質に保つ仕組みを指します。部屋ごとにエアコンを設置する場合と比較して、家中を快適な温度に調整することができます。

全館空調を採用するメリット

全館空調のメリットは主に4つです。

①家全体を一定の温度に保てる

全館空調の一番のメリットと言えるのが、全部屋を一定の温度に保てる点です。例えば夏場だと、2階だけが異常に暑くなる、夜寝苦しくて頻繁に目が覚めるといったことを防げます。冬場であれば、廊下や脱衣室が寒くないためヒートショックのリスクが減ったり、朝布団から出るのが億劫・・・なんてことも防げます。

②壁付けのエアコンがない分部屋がすっきりとスタイリッシュに見える

壁付けタイプのエアコンと比べて室内での露出が少ない分、壁や天井がすっきりとします。生活感が出にくくスタイリッシュな印象になり、インテリアデザインの幅が広がります。

③空気清浄の機能もあるため、清潔な空気が保てる

全館空調は温度調整だけでなく、部屋の空気も換気してくれます。外気フィルターにより花粉や埃などが除去された状態で空気が送り込まれるので、アレルギー体質の方も快適に暮らせます。

④間取りの自由度がアップ

冷暖房効率に配慮したドアや仕切りの設置箇所を気にする必要がなくなるため、開放的な広いLDKや吹き抜けをつくるなど間取りの自由度が増します。

全館空調のデメリット

全館空調のデメリットは主に4つです。

①初期費用がかかる。

壁付けタイプのエアコンとは異なり、天井や壁の中などに配管を巡らせる必要があるため、工事の規模が大きく、高額な設置費用がかかります。

②家の断熱・気密性能が低いと電気代が高くなる。

断熱・気密性能が低いと、外気の影響を受けて空調の効率が下がり、余分な消費電力が増えてしまいます。

③乾燥しやすい。

換気がしっかりと行われる分、常に乾燥した空気が入り、循環しているため湿度が上がりにくいです。加湿器などで湿度を快適に保つ工夫をしたり、加湿機能が付いた全館空調の導入を検討するのも良いでしょう。

④部屋ごとの温度差がつけづらい。

部屋ごとに空調の強弱や運転停止ができるケースは多いですが、通常の壁付けタイプのエアコンのように大きく温度を変化させることはできません。

全館空調を採用する際に確認しておくと良いこと

全館空調を採用する際に確認しておくと良いポイントを4つ紹介します。

①冷暖房の方式を確認する

一口に「全館空調」と言っても、さまざまな方式があります。冷暖房の方式によって特徴やコスト、設置方法が異なります。モデルハウスや見学会で体感して選ぶのがおすすめです。

主な冷暖房方式

・天井吹き出し方式
天井裏にダクトを配置して、天井の吹き出し口から冷暖気を送る。

・エアコン方式
1台の壁掛けエアコンで家全体を冷暖房、壁の採風口で冷暖気を送る。

・床下冷暖房方式
断熱した基礎部分に蓄熱して輻射熱で冷暖房、ガラリから送風もできる。

・壁パネル方式
壁にパネルを設置して冷液や温液を循環、輻射熱で家全体を冷暖房。

また、機種によって

  • 吹き出し口の位置(天井・壁・床)
  • 空調室設置の有無
  • 空調設備の設置個所

などに違いがあり、これらは間取りにも関わってきます。どの方式にすると、ご自身の間取りがどう変化するのかをしっかりと確認することも重要です。

②家の断熱性や気密性を高める

全館空調と高気密・高断熱はセットで検討してください。全館空調で快適な温度にした空気をしっかりと「保つ」ことが重要です。断熱・気密が不十分ですと温度を保つために電気代ばかりがかかってしまいます。

③全館空調の施工実績の数を確認する

全館空調は、空調機器、断熱気密の性能、間取りの構成などによって効率がまったく違ってくる設備です。検討の住宅会社での施工の実績や、施工後の住みやすさ、電気代などのデータを確認してください。

④アフターフォローがしっかりしている住宅会社を選ぶ

多くの家電が何年か使用すると壊れて修理をしたり、買い替えたりしますよね。全館空調も同様で、メンテナンスが必須です。ほとんどの全館空調メーカーは、設備機器の定期メンテナンスを推奨しています。ですから全館空調を採用するなら、積極的にアフターサービスをおこなっている住宅会社を選びましょう。

まとめ

全館空調のメリット・デメリットをしっかりと理解した上で、採用するかどうかを判断しましょう。全館空調を採用する場合は、住宅会社を選ぶ時に、断熱・気密性能や全館空調の種類・施工実績、アフターフォローの内容をしっかりと確認しておくことが重要です。

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